仙台けやきユニオン

私たちは仙台を拠点に活動する個人加盟ユニオン(労働組合)です。仙台市を中心に、宮城県全域の労働相談を受け付けています。正社員・非正規雇用や業種・職種を問わず、どんな方でも加入できます。一人ひとりの問題を解決しつつ、ブラック企業をなくすことを目指して活動しています。

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派遣会社セルマと団体交渉中。求人に表示されていた「寮費無料や30万円以上可」と実態の違いについて補償を求めています

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派遣会社セルマは「給与30万円以上可、寮費無料」という条件で派遣社員を募集し、iPhoneやMacBookの部品を生産する角田市の工場に派遣しています。今年2月に同社を退職したXさんが組合に加入し、実際には給与が30万円に届くことはほとんどなく、寮費も給与から数万円天引きされているなど、求人の内容と実際の労働条件が大きく違う求人詐欺の問題について同社に補償を求めて交渉を行っています。(同社の労働条件の問題についてはこちらの記事で詳しく取り上げています。)

昨日、3月14日に第一回の団体交渉を行いました。会社からの当初の回答はユニオンからの要求は全て認められないというものでしたが、団体交渉を通じて会社側の説明が通らない部分も明らかになり、今後はそうした点も踏まえてどう解決するか相互に話し合っていくことになりました。また使った覚えのない家具リース代が引かれている問題については、会社からも調べてもし間違いであればお金を返還すると約束してもらいました。以下、主要な論点について団交でのやり取りをまとめています。

 

〇「月収30万円以上可」について

会社は、求人票における「月収30万円以上可」は「可」という日本語からも分かる通りあくまで可能性であって、確実に30万円以上の収入を保障するものではないと主張し、毎日2時間半の残業と休日出勤合わせて60時間程度の残業時間と深夜勤務を合わせれば30万円を超えるというモデル賃金を提示してきました。

しかし、60時間の残業時間はかなりの長時間労働です。厚生労働省が定める過労死の認定基準においても、月の残業時間が45時間を超えると過労死のリスクが徐々に高まるとされ、80時間を超えて亡くなった場合過労死である可能性が高いとしています。まして、深夜勤務も含まなければならないのであれば、心身への負担はかなりのものです。会社は求人広告の段階で、こうした働き方を織り込んだ募集内容を提示していたということになります。

この点について私たちが団体交渉で指摘したところ、会社は、毎月毎月の残業時間がいつも月45時間を超えるということがないように、労働者の健康を考慮してある月はそれ以上働かないように止めることはあると説明しました。結局のところ、会社は毎月30万円以上稼げるような労働をさせることは最初から想定せずに30万円以上可との求人を出していたことになります。「可」というのであれば、労働者が任意に残業や休日出勤を入れればそれだけ稼げるように思ってしまいますが、実際には休日出勤も会社から要請があった場合に出来るだけであり、30万円に届くことが年間に何度か仮にあるとしても、毎月30万円以上稼ぐことができないと会社も最初から把握していたことが分かりました。

また、会社は応募の電話の際や面接の際に、残業と深夜労働と休日出勤を行って30万を超えるということを説明したと主張していますが、Xさんの記憶には全くありません。

 

〇「寮費無料」について

会社の説明では、角田市にあるセルマの寮の寮費は基本的に無料だが、Xさんは面接の段階で自分から角田市以外のA市から通いたいと要望し、会社はそれを受けて寮費を一部有料で負担することを条件としてA市のアパートの一室を借り上げて寮として運用することにしたのであって、寮費が引かれることは最初から合意があったとされています。

しかしXさんの記憶では、A市の寮を用意するのは会社の方が積極的に推してきた提案であり、面接の際に寮費が一部自己負担になるなどの説明を受けたことはありません。Xさんは最初の給与明細を見て寮費が引かれていることに驚いています。

客観的な証拠として、寮費が引かれることが明記された「入寮誓約書」という書類の日付が10月3日になっています。Xさんは6月12日から既にA市の寮に入って働き始めています。10月3日付の誓約書しかないのであれば、少なくとも10月までは寮費を引かれることに合意はしていなかったと考えるしかありません。

また、10月3日に入寮誓約書にXさんがサインしたのは、既に働き始めて何か月も経った後でその誓約書にサインしなければ寮を退去させられたり、職を失うのではないかと心配したからです。ユニオンとしては、誓約書自体の有効性に疑問があり、それ以後の寮費の天引きもおかしいと考えています。

 

〇その他の論点

通勤費は遠方であれば月5000円支払われるはずがXさんは支払われていません。これについて会社は、角田ではなくA市に新しくXさんのために用意した寮なので通勤費までは支払えないと最初に説明した、と主張しています。通勤費についてもXさんは説明された覚えはないため、あらためて月5000円の通勤費の支払いを求めました。

家具リース代については給与明細から1万円分引かれているのですが、Xさんは家具リースを利用せず家具を持参したり自分で購入して対応しています。これについて団交で指摘すると、会社もその場では理由を答えることはできず、調べてみてもし間違いであればさかのぼってお金は返却すると約束していただけました。

 

〇今後について

引きつづき、今回の求人詐欺についてユニオンは交渉を継続していきます。会社からは3月29日までに再度検討した回答や必要な資料を提出していただけることになっています。ぜひ誠実な対応をお願いしたいと思います。

セルマに勤める方で求人時の内容と違って寮費が天引きされていたり、給与計算、通勤費、家具リース代などに最初の話と違うおかしな点がもしあれば、ユニオンに加入して会社と交渉することが可能です。もちろん、他の派遣会社や正社員の方からの相談にも対応可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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