集団塾を経営する会社に対し残業代未払いについて提訴したHさんの事例

活動報告

仙台けやきユニオンでは、違法な残業代未払いのあった集団塾を経営する株式会社Aに対して裁判を提起したHさんを支援しています。事案の概要をご紹介します。

 

〇残業代の未払い、過酷な労働環境

Hさんは2014年4月、北海道に拠点をおく株式会社Aで塾講師として働き始めました。当初、1日の所定労働時間は14時~22時・週5日勤務と聞いていましたが、実際には、授業の準備などのため10時に出社し、授業後の片付けや上司から命じられた事務作業のため25時に退社するなど、1日10時間を超える労働を強いられる日が多くありました。また、休日に授業を割り当てられ、休日出勤を強いられることも多々あり、加えて、教室間の移動や仕事量が多すぎるために、休憩をとる時間がないまま勤務を続けなければなりませんでした。

しかし、会社側は労働時間管理を適切に行っていませんでした。出退勤は「出勤簿」に押印することとなっていましたが、その「出勤簿」にはシフト通りの時間が記載されているのみで、残業時間など具体的な労働時間は反映されていません。

休日出勤した分や定時より長く勤務した分の残業代について、会社からは「“みなし残業代”(※)として職務手当を支払う」と説明されましたが、当該の“みなし残業代”は何時間分の残業代として支払うのか、根拠が曖昧なまま、いくら休日出勤や残業をしても支払われる「職務手当」は同じでした。

(※会社の言う「みなし残業代」は固定残業代のことを指していると考えられます。)

上記のような違法な働かせ方が常態化する中、Hさんは上司からのパワハラやセクハラ被害にも遭い、精神的に追い詰められていきました。そして、2018年8月、同社を退職しました。

 

〇労基署に対する不誠実な対応

退職後、支払われてこなかった残業代を取り返そうと、Hさんは札幌労働基準監督署に申告しました。しかし、会社側は社労士を雇い、出勤簿に関して虚偽の報告を行うなど、まともに調査に協力する姿勢を見せず、調査期間は長引いていきました。

こうした会社の行為は、不当に調査期間を長引かせることによって未払い残業代についてHさんに泣き寝入りを強いる、極めて悪質なものであると言わざるをえません。

 

〇残業代の支払いを求め、提訴へ

こうした状況を受け、Hさんはブラック企業対策仙台弁護団に所属する弁護士に依頼し、残業代の支払いを求めて提訴することにしました。未払い賃金およそ160万円を請求しています。

 

〇Hさんのコメント

株式会社Aの職場では、長時間労働や賃金未払いだけではなく、言葉の暴力が蔓延し、性差別や性的嫌がらせも数多くありました。

「車がないやつはやる気がない」「(失敗にたいして)女はこれだから困る」「(性的要求にたいして拒否したら)俺に逆らったらどうなるかわかってるのか?」「(女性新入社員の)生理予定日きいてきて」「みんな病んでるからお前はまだまだ」「お前は平社員なんだからストレスとか甘えるな」「やる気がないから何もできない」。極めつけは「私生活が狂いだしたら一人前」。

こんな言葉が飛び交う職場でした。

こうした問題を上司へ相談しても解決せず、結局地方への配置換えで問題が有耶無耶にされ、退職することとなりました。

睡眠時間が3時間しかない日も多く、睡眠時間以外のほとんどの時間を仕事にあてても、札幌労働基準監督署は「月10時間を越える残業はありませんでした」として、積極的な調査をしてもらえませんでした。

株式会社Aは「勤務時間がわかるものが会社に残っていないため確認できないのでお金は払えません」として、未払い賃金の支払いを拒否する姿勢を貫いています。

ユニオンがきっかけで現在、未払い賃金の支払いを求める裁判をしております。どうぞ暖かいご支援よろしくお願い致します。

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